七絶・老賞池梅 2003. 2. 6 梅花不是去年花, 梅花は去年の花にはあらずして, 人老迎春身更斜。 人老い春を迎えれば身は更に斜めなり。 笑遶鏡池游目處, 笑って鏡池をめぐり 目を遊ばすところ, 横枝鶯語碧天佳。 横枝 鶯語 碧天 佳なり。 (普通話韵一麻) <戻る> |
七絶・清曉梅開 2003. 1.27 日照寒塘梅一枝, 日は照らす 寒塘の梅一枝, 横斜倒影薄氷危。 横斜倒影して薄氷に危うし。 星星郁郁開珠蕾, 星星郁郁として珠蕾を開き, 老幹先知花信時。 老幹先ず知る 花信の時。 <戻る> |
五律・春 分 2004. 2.13 梅散櫻雲涌, 梅散って櫻雲涌き, 春酣鳥語工。 春 酣(たけなわ)にして鳥語工なり。 賣花青眼嫗, 花を売る青眼の嫗, 掃墓白頭翁。 墓を掃く白頭の翁。 亡父留遺誡, 亡父は遺誡を留めたり, 醉生無盛功。 醉生に盛功なしと。 門前敲酒戸, 門前 酒戸を敲き, 笑語墨江東。 笑語す 墨江の東。 (上平声一東) 掃墓:在日本春分是掃墓的時令。 墨江東:墨江是“墨田川”,穿日本東京南流下的河川。我家的墓地在“墨田川”的東方。 掃墓:墓参りのこと。 青眼:歓迎の目つき。 醉生:酔ったように生きること。「酔生夢死」という成語がある。 門前:寺の門前。酒戸: 酒店、酒肆に同じ。 <戻る> |
七絶・賞梅偶成 2003. 2.19 風拂梅花香自奮, 風、梅花を払い香り自ずから奮い, 人搖吟吻犬留糞。 人は吟吻を揺らし犬は糞を留める。 各行其是弄春光, 各行其是に春光を弄び, 樗散茫洋忘職分。 樗散、茫洋として職分を忘れる。 各行其是:各人が思い思いのことをやる。 <戻る> |
七絶・花間踏狗糞 2004. 3.24 人肥狗痩共春風, 人は肥え狗(いぬ)は痩せて春風をともにし, 散歩櫻雲飛雪中。 散歩するは桜の雲の雪を飛ばすなか。 老骨行吟頻踏糞, 老骨の行吟 頻に糞を踏み, 山妻責過去年同。 山妻 過(とが)を責めること 去年に同じ。 <戻る> |
五律・春 行 2004. 2.17 曳杖聞春鳥, 杖を曳いて春鳥を聞き, 乗風歩午晴。 風に乗って午晴を歩む。 賞梅花点点, 梅を賞せば花は点点, 映日玉晶晶。 日を映じて玉 晶晶たり。 眼底氷肌艷, 眼底に氷肌艶に, 池頭吟骨輕。 池頭に吟骨軽し。 擬唐調平仄, 擬唐に擬して平仄を調え, 搖吻放襟情。 吻(くち)を揺らして襟情を放つ。 <戻る> |
七絶・賞櫻花覓句 2002. 3.24 我愛烟霞流靉靉, 我は烟霞の流れて靉靉たるを愛し, 君生蓬髪耀皚皚。 君は蓬髪の耀いて皚皚たるを生ず。 皺多櫻幹誇仙貌, 皺(しわ)多き桜幹、仙貌を誇り, 花下詩人有口才。 花下の詩人に口才あり。 <戻る> |
七絶・老賞櫻花 2003. 3.13 百年風雪一天花, 百年の風雪 一天の花, 三月櫻雲十里霞。 三月の桜雲 十里の霞。 掃墓無言暫望眺, 墓を掃いて言なくしばらく望眺し, 老殘猶戀夕陽斜。 老殘なお夕陽の斜めなるに恋う。 掃墓:墓参りをする。 <戻る> |
七絶・夜賞櫻花 2003. 3.29 人生有數花無數, 人生は有数にして花は無数, 滿目櫻開爲月開。 目を満たして桜は開き爲月のために開く。 笑遶華池迷柳巷, 笑って華池を遶り柳巷に迷えば, 降天豐頬帶春来。 天より降る豊頬、春を帯びて来る。 <戻る> |
七絶・賞櫻花吟歩 2003. 4.14 櫻多日本詩人少, 桜多き日本に詩人少なく, 錢少花間酒量多。 銭少き花間に酒量多し。 笑遶園池獨吟處, 笑って園池をめぐりひとり吟ずるところ, 春鴉唱和碧天過。 春鴉、唱和して碧天に過ぐ。 <戻る> |
七絶・賞櫻花養病 2003. 4.13 垂枝櫻耐重英重,搖吻人如中毒中。 老探春烟養声病,詩含情趣戀華風。 垂枝(しだれ)の櫻、重なる英(はな)の重きに耐え, 吻(くち)揺らして人は、毒に中(あたる)ごとき中。 老いて春煙をさぐり声病を養えば, 詩は情趣を含んで華風を恋う。 <戻る> |
七絶・花間放唱 2003. 3. 6 櫻雲香雪飛江水, 桜雲の香雪 江水に飛び 詩客浮生入醉吟。 詩客の浮生 酔吟に入る。 天用樗材人不用, 天は樗材を用い人は用いずも, 脣探風韵和春禽。 唇は風韵を探って春禽に和す。 <戻る> |
七絶・送 春 2002. 5. 7 東傾西飲費金錢, 東に傾け西に飲んで金錢を費やし, 梅散櫻飛爲酒癲。 梅散り桜飛べば酒癲となる。 賞尽花雲送春處, 花雲を賞し尽くし春を送るところ, 馬嘶山廓又重年。 馬嘶きて山廓にまた年を重(かさ)ぬ。 <戻る> |
少年游・賞櫻花覓句 2002. 3.24 山櫻雲涌,吾頭霜降,白髪兩如仙。重年却老,乗風飛雪,舞態益飄然。 誰憂春日嘆貧困,覓句不須錢。賞景抒情,低吟高古,無酒醉花間。 山の桜に雲涌き,わが頭に霜降り,白髪ふたつながらに仙のごとし。年を重ね老いをしりぞけ,風に乗って雪を飛ばし,舞態 ますます飄然たり。 誰か春日に憂い貧困を嘆かんか,覓句 錢(ぜに)を須(もち)いず。景をめで情をのべ,低吟して高古たれば,酒なくも花間に酔わん。 <戻る> |
醉花陰・春 吟 2003. 8.16 散士半生如半價,老去多閑暇。曳杖入櫻雲,耽溺春光、搖吻吟清雅。 關關鶯語穿東野,猶聽長嘶馬。笑得兩三詩,平仄諧調、風韵還無假。 散士の半生 半価のごとくも,老い去って閑暇多し。杖を曳いて桜雲に入り,春の光に耽溺し、吻(くち)をゆらして吟ずれば清雅たり。 関関たる鶯語 東野を穿ち,なお聽く長く嘶く馬。笑って得たり二三の詩,平仄諧調して、風韵また仮(かり)なし。 <戻る> |
天浄沙・春 情 2002. 1.30 梅梅雪雪鶯鶯,雲雲月月櫻櫻。醉醉風風景景,香香徑徑,人人笑笑声声。 梅また梅、雪また雪、鶯に鶯,雲また雲、月また月、桜に桜。 酔ってまた酔って、風よ風よ、景よ景よ,香り香る徑(こみち)また 徑(こみち)に,人また人、笑い笑って声また声。 <戻る> |
賀新郎・探花長嘯 2003. 2. 8 春賞芳梅早,映鏡池、横斜倒影,艷姿清耀。又喜柔風吹習習,桃李花間含笑。在日本、櫻雲最好。飛雪霏霏如蝶舞,適搖脣、試鼓詩腸老,消鬱悶,排煩惱。 放歌酬和鶯声巧,探烟霞、佯仙覓句,擬唐高踏。天用吾才誇華誕,花弄風流麗藻。殘喘健、舒情無飽,曳杖尋幽貪絶勝,半游魂、形魄耽長嘯,山欲暮、月臨照。 春に賞(め)ず,芳梅の早くして,鏡池に映じ、横斜して倒影し,艷姿の清らかに耀くを。また 柔らかき風の吹いて習習たるを喜び,桃李の花間に笑みを含む。日本にあっては、櫻雲もっとも好し。飛雪、霏霏として蝶の舞うがごとく,唇を揺らし、試みに詩腸の老いたるを鼓し,鬱悶を消し,煩惱を排するに適す。 放歌して鶯声の巧みなるに酬和し,烟霞を探(さぐ)り、仙と佯(いつわ)る覓句,唐に擬して高踏たり。天はわが才の華誕を誇るを用い,花に風流なる麗藻を弄ぶ。残喘 健にして、 情を舒して飽きるなく,杖を曳いて尋幽し絶勝を貪り,なかば魂を遊ばせ、形魄、耽って長嘯すれば,山は暮れんと欲し、月、臨照す。 殘喘:残りの息。余命のすくないこと。自分の年齢の謙称。 華誕:うわべは立派だが内容がないこと。麗藻:美しい詩文。 形魄:からだ。 <戻る> |
憶江南・賞梅花 2003. 2.12 芳梅好, 芳梅好し, 南面動花心。 南面して動花心を動かす。 在日千年流雅韵, 在日千年、雅韵を流し, 迎春一旦値清吟。 迎春の一旦、清吟に値す。 人醉暗香侵。 人は暗香の侵すに酔う。 <戻る> |
憶江南・賞櫻花吟句 2003. 3.29 櫻雲好, 桜雲好し, 香雪映春池。 香雪 春池に映ず。 人老風塵風已定, 人 風塵に老いれば風すでに定まり, 未成功譽醉花期。 いまだ功譽をなさずして花期に酔う。 覓句欲成痴。 覓句 痴ならんと欲す。 <戻る> |
魚游春水・賞櫻花吟句 2004. 3.23 山櫻春粧艷,香雪乗風飛点点。抱壺花底,傾盞暫佯恬憺。回顧半生無盛功,空老人間思黯惨。偶聽鶯啼,巧添情感。 發興當排俗念,試鼓詩腸將露胆。諧調平仄玲瓏,聳肩口占。善哉天用我才健,吟句擬唐誇宏贍。笑對斜暉,燒雲如焔。 山櫻、春の粧い艷やかに,香雪(コウセツ)風に乗り飛んで点点たり。壺を抱いて花の底に,盞を傾けしばし恬憺たる振りをする。半生を回顧すれば盛功(セイコウ)なく,空しく人間(ジンカン)に老いて思い黯惨(アンサン)たり。たまたま聽く 鶯啼いて,巧みに情感を添えるを。 興を發してまさに俗念を排すべく,試みに詩腸を鼓して胆(きも)をひらかんとす。平仄をやわらげととのえれば玲瓏(レイロウ),肩を聳やかして口占(コウセン)す。善き哉、天の我が才の健なるを用い,吟句は唐に擬して宏贍たるを誇る。笑って對す、斜暉の雲を燒いて焔のごときに。 <戻る> |
一七令・山 2001. 5.17 山。 風爽,天寛。 聽鳥哢,喜心閑。 厭離塵界,登上仙寰。 櫻雲空谷涌,弦月半天懸。 花舞放香飛雪,人欲埋骨無棺。 澄潭映水頭毛白,危嶂斷嵐霞彩丹。 山。 風さわやかに,天ひろく, 鳥のさえずるを聴き,心の閑なるを喜ぶ。 塵界を厭離し,仙寰に登上す。桜雲、空谷に涌き,弦月、半天にかかる。 花は舞って香りを放ち雪を飛ばし,人は骨を埋めるも棺なきを欲す。 澄潭、水に映じて頭毛白く,危嶂、嵐を断って霞彩丹(あか)し。 <戻る> |
浣溪沙・早春賦 2001. 1.23 開霽南庭殘雪多, 開霽の南庭に殘雪多く, 驚看枯骨化仙蛾。 驚き看る、枯骨の仙蛾に化するを。 梅花楚楚笑星羅。 梅花、楚楚として笑えば星羅。 風逐凍雲吹暗夜, 風は凍雲を逐(お)って暗夜に吹き, 梦聽天上美人歌。 夢に聽く、天上の美人の歌。 古來春降自銀河。 古来、春は銀河より降る。 <戻る> |
春光好・春 行 2001. 2.17 千金景,萬枝花,一杯茶。休憩山間醉物華,興無涯。 拂面春風習習,穿林溪水斜斜。仰看雲如仙客車,忘歸家。 千金の景,万枝の花,一杯の茶。山間に休憩して物華に酔えば,興に涯(はて)無し。 面を払って春風は習習と,林を穿って溪水、斜斜たり。仰ぎ看れば雲は仙客の車のごとく,家に帰るを忘る。 <戻る> |
曄歌・春 醉 2003.12.31 花底斟。酒慰辛勤,促呻吟。 花の底に斟まん。酒は辛勤を慰め,呻吟を促がさん。 <戻る> |
漢俳・惜春花飛散 2003. 4.15 花飛櫻緑新。 花飛び桜の緑 新たなり。 殘魂無涙思逡巡。 殘魂に涙なくも思いは逡巡し, 搖脣句惜春。 唇を揺らせば句は春を惜しむ。 <戻る> |
漢俳・賞梅迷路 2003. 2. 9 賞梅随歩處, 梅を賞して歩に随うところ, 搖脣唱和流鶯語。 唇を揺らして流鶯の語るに唱和す。 無端迷返路。 端なくも返路に迷う。 <戻る> |
漢俳・探 春 2003. 8.13 探春西復東。 春を探って西にまた東に。 笑賞櫻雲舞香雪, 笑って賞す、桜雲の香雪を舞わせ, 鶯語讚天工。 鶯語の天工を讃えるを。 <戻る> |
漢俳・夜賞櫻花 2003.10.12 春櫻花底佳。 春桜の花底 佳なり。 紅裙踏月歩沙沙, 紅裙 月を踏んで歩めば沙沙, 傾盞笑哈哈。 盞を傾け笑えば哈哈。 紅裙:赤いスカート。 沙沙:擬声語。軽い足音。シャーシャー 哈哈:擬声語。笑い声。ハーハー <戻る> |
漢俳・萬紅千紫 2003. 4.22 鮮花映碧潭, 鮮花 碧潭に映じ, 紅白橙黄青紫藍。 紅白橙黄青紫藍。 濃香流夕嵐。 濃香 夕嵐に流れる。 <戻る> |
漢俳・花 陰 2003. 4.20 雲飛殘雪嶺, 雲 殘雪の嶺に飛び, 風馬長嘶縱馳騁。 風馬 長く嘶いて馳騁をほしいままにす。 人笑花陰靜。 人笑って 花陰に靜まる。 <戻る> |