新短詩
七絶・老賞池梅
七絶・清曉梅開
五律・春 分
七絶・賞梅偶成
七絶・花間踏狗糞
五律・春 行
七絶・賞櫻花覓句
七絶・老賞櫻花
七絶・夜賞櫻花
七絶・賞櫻花
七絶・賞櫻花養病
七絶・花間放唱
七絶・送 春
少年游・賞櫻花覓句
醉花陰・春 吟
天浄沙・春 情
賀新郎・探花長嘯
憶江南・賞梅花
憶江南・賞櫻花吟句
魚游春水・賞櫻花吟句
一七令・山

浣溪沙・早春賦
春光好・春 行
曄歌・春 醉
漢俳・惜春花飛散
漢俳・賞梅迷路
漢俳・探 春
漢俳・夜賞櫻花
漢俳・萬紅千紫
漢俳・花 陰

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     七絶・老賞池梅          2003. 2. 6

  梅花不是去年花,  梅花は去年の花にはあらずして,
  人老迎春身更斜。  人老い春を迎えれば身は更に斜めなり。
  笑遶鏡池游目處,  笑って鏡池をめぐり 目を遊ばすところ,
  横枝鶯語碧天佳。  横枝 鶯語 碧天 佳なり。
                         (普通話韵一麻)

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     七絶・清曉梅開           2003. 1.27

  日照寒塘梅一枝,  日は照らす 寒塘の梅一枝,
  横斜倒影薄氷危。  横斜倒影して薄氷に危うし。
  星星郁郁開珠蕾,  星星郁郁として珠蕾を開き,
  老幹先知花信時。  老幹先ず知る 花信の時。


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     五律・春 分           2004. 2.13

  梅散櫻雲涌,    梅散って櫻雲涌き,
  春酣鳥語工。    春 酣(たけなわ)にして鳥語工なり。
  賣花青眼嫗,    花を売る青眼の嫗,
  掃墓白頭翁。    墓を掃く白頭の翁。
  亡父留遺誡,    亡父は遺誡を留めたり,
  醉生無盛功。    醉生に盛功なしと。
  門前敲酒戸,    門前 酒戸を敲き,
  笑語墨江東。    笑語す 墨江の東。

                 (上平声一東)

   掃墓:在日本春分是掃墓的時令。
   墨江東:墨江是“墨田川”,穿日本東京南流下的河川。我家的墓地在“墨田川”的東方。
   掃墓:墓参りのこと。
   青眼:歓迎の目つき。
   醉生:酔ったように生きること。「酔生夢死」という成語がある。
   門前:寺の門前。酒戸:
   酒店、酒肆に同じ。

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     七絶・賞梅偶成           2003. 2.19

  風拂梅花香自奮,  風、梅花を払い香り自ずから奮い,
  人搖吟吻犬留糞。  人は吟吻を揺らし犬は糞を留める。
  各行其是弄春光,  各行其是に春光を弄び,
  樗散茫洋忘職分。  樗散、茫洋として職分を忘れる。

     各行其是:各人が思い思いのことをやる。

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     七絶・花間踏狗糞         2004. 3.24

  人肥狗痩共春風,  人は肥え狗(いぬ)は痩せて春風をともにし,
  散歩櫻雲飛雪中。  散歩するは桜の雲の雪を飛ばすなか。
  老骨行吟頻踏糞,  老骨の行吟 頻に糞を踏み,
  山妻責過去年同。  山妻 過(とが)を責めること 去年に同じ。

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     五律・春 行           2004. 2.17

  曳杖聞春鳥,    杖を曳いて春鳥を聞き,
  乗風歩午晴。    風に乗って午晴を歩む。
  賞梅花点点,    梅を賞せば花は点点,
  映日玉晶晶。    日を映じて玉 晶晶たり。
  眼底氷肌艷,    眼底に氷肌艶に,
  池頭吟骨輕。    池頭に吟骨軽し。
  擬唐調平仄,    擬唐に擬して平仄を調え,
  搖吻放襟情。    吻(くち)を揺らして襟情を放つ。

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     七絶・賞櫻花覓句         2002. 3.24

  我愛烟霞流靉靉,  我は烟霞の流れて靉靉たるを愛し,
  君生蓬髪耀皚皚。  君は蓬髪の耀いて皚皚たるを生ず。
  皺多櫻幹誇仙貌,  皺(しわ)多き桜幹、仙貌を誇り,
  花下詩人有口才。  花下の詩人に口才あり。


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     七絶・老賞櫻花          2003. 3.13

  百年風雪一天花,  百年の風雪 一天の花,
  三月櫻雲十里霞。  三月の桜雲 十里の霞。
  掃墓無言暫望眺,  墓を掃いて言なくしばらく望眺し,
  老殘猶戀夕陽斜。  老殘なお夕陽の斜めなるに恋う。

     掃墓:墓参りをする。

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     七絶・夜賞櫻花          2003. 3.29

  人生有數花無數,  人生は有数にして花は無数,
  滿目櫻開爲月開。  目を満たして桜は開き爲月のために開く。
  笑遶華池迷柳巷,  笑って華池を遶り柳巷に迷えば,
  降天豐頬帶春来。  天より降る豊頬、春を帯びて来る。

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     七絶・賞櫻花吟歩         2003. 4.14

  櫻多日本詩人少,  桜多き日本に詩人少なく,
  錢少花間酒量多。  銭少き花間に酒量多し。
  笑遶園池獨吟處,  笑って園池をめぐりひとり吟ずるところ,
  春鴉唱和碧天過。  春鴉、唱和して碧天に過ぐ。

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     七絶・賞櫻花養病         2003. 4.13

  垂枝櫻耐重英重,搖吻人如中毒中。
  老探春烟養声病,詩含情趣戀華風。

   垂枝(しだれ)の櫻、重なる英(はな)の重きに耐え,
   吻(くち)揺らして人は、毒に中(あたる)ごとき中。
   老いて春煙をさぐり声病を養えば,
   詩は情趣を含んで華風を恋う。

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     七絶・花間放唱          2003. 3. 6

  櫻雲香雪飛江水,  桜雲の香雪 江水に飛び
  詩客浮生入醉吟。  詩客の浮生 酔吟に入る。
  天用樗材人不用,  天は樗材を用い人は用いずも,
  脣探風韵和春禽。  唇は風韵を探って春禽に和す。

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     七絶・送 春           2002. 5. 7

  東傾西飲費金錢,  東に傾け西に飲んで金錢を費やし,
  梅散櫻飛爲酒癲。  梅散り桜飛べば酒癲となる。
  賞尽花雲送春處,  花雲を賞し尽くし春を送るところ,
  馬嘶山廓又重年。  馬嘶きて山廓にまた年を重(かさ)ぬ。

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少年游・賞櫻花覓句        2002. 3.24

  山櫻雲涌,吾頭霜降,白髪兩如仙。重年却老,乗風飛雪,舞態益飄然。
  誰憂春日嘆貧困,覓句不須錢。賞景抒情,低吟高古,無酒醉花間。

  山の桜に雲涌き,わが頭に霜降り,白髪ふたつながらに仙のごとし。年を重ね老いをしりぞけ,風に乗って雪を飛ばし,舞態 ますます飄然たり。
  誰か春日に憂い貧困を嘆かんか,覓句 錢(ぜに)を須(もち)いず。景をめで情をのべ,低吟して高古たれば,酒なくも花間に酔わん。

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    醉花陰・春 吟          2003. 8.16

  散士半生如半價,老去多閑暇。曳杖入櫻雲,耽溺春光、搖吻吟清雅。
  關關鶯語穿東野,猶聽長嘶馬。笑得兩三詩,平仄諧調、風韵還無假。

  散士の半生 半価のごとくも,老い去って閑暇多し。杖を曳いて桜雲に入り,春の光に耽溺し、吻(くち)をゆらして吟ずれば清雅たり。
  関関たる鶯語 東野を穿ち,なお聽く長く嘶く馬。笑って得たり二三の詩,平仄諧調して、風韵また仮(かり)なし。

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     天浄沙・春 情          2002. 1.30

  梅梅雪雪鶯鶯,雲雲月月櫻櫻。醉醉風風景景,香香徑徑,人人笑笑声声。

   梅また梅、雪また雪、鶯に鶯,雲また雲、月また月、桜に桜。
   酔ってまた酔って、風よ風よ、景よ景よ,香り香る徑(こみち)また
   徑(こみち)に,人また人、笑い笑って声また声。

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     賀新郎・探花長嘯        2003. 2. 8

  春賞芳梅早,映鏡池、横斜倒影,艷姿清耀。又喜柔風吹習習,桃李花間含笑。在日本、櫻雲最好。飛雪霏霏如蝶舞,適搖脣、試鼓詩腸老,消鬱悶,排煩惱。
  放歌酬和鶯声巧,探烟霞、佯仙覓句,擬唐高踏。天用吾才誇華誕,花弄風流麗藻。殘喘健、舒情無飽,曳杖尋幽貪絶勝,半游魂、形魄耽長嘯,山欲暮、月臨照。

  春に賞(め)ず,芳梅の早くして,鏡池に映じ、横斜して倒影し,艷姿の清らかに耀くを。また 柔らかき風の吹いて習習たるを喜び,桃李の花間に笑みを含む。日本にあっては、櫻雲もっとも好し。飛雪、霏霏として蝶の舞うがごとく,唇を揺らし、試みに詩腸の老いたるを鼓し,鬱悶を消し,煩惱を排するに適す。
  放歌して鶯声の巧みなるに酬和し,烟霞を探(さぐ)り、仙と佯(いつわ)る覓句,唐に擬して高踏たり。天はわが才の華誕を誇るを用い,花に風流なる麗藻を弄ぶ。残喘 健にして、 情を舒して飽きるなく,杖を曳いて尋幽し絶勝を貪り,なかば魂を遊ばせ、形魄、耽って長嘯すれば,山は暮れんと欲し、月、臨照す。

  殘喘:残りの息。余命のすくないこと。自分の年齢の謙称。
  華誕:うわべは立派だが内容がないこと。麗藻:美しい詩文。
  形魄:からだ。

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     憶江南・賞梅花          2003. 2.12

  芳梅好,          芳梅好し,
  南面動花心。       南面して動花心を動かす。
  在日千年流雅韵,    在日千年、雅韵を流し,
  迎春一旦値清吟。    迎春の一旦、清吟に値す。
  人醉暗香侵。       人は暗香の侵すに酔う。

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     憶江南・賞櫻花吟句        2003. 3.29

  櫻雲好,         桜雲好し, 
  香雪映春池。      香雪 春池に映ず。
  人老風塵風已定,   人 風塵に老いれば風すでに定まり,
  未成功譽醉花期。   いまだ功譽をなさずして花期に酔う。
  覓句欲成痴。      覓句 痴ならんと欲す。

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       魚游春水・賞櫻花吟句      2004. 3.23

  山櫻春粧艷,香雪乗風飛点点。抱壺花底,傾盞暫佯恬憺。回顧半生無盛功,空老人間思黯惨。偶聽鶯啼,巧添情感。
  發興當排俗念,試鼓詩腸將露胆。諧調平仄玲瓏,聳肩口占。善哉天用我才健,吟句擬唐誇宏贍。笑對斜暉,燒雲如焔。

山櫻、春の粧い艷やかに,香雪(コウセツ)風に乗り飛んで点点たり。壺を抱いて花の底に,盞を傾けしばし恬憺たる振りをする。半生を回顧すれば盛功(セイコウ)なく,空しく人間(ジンカン)に老いて思い黯惨(アンサン)たり。たまたま聽く 鶯啼いて,巧みに情感を添えるを。
興を發してまさに俗念を排すべく,試みに詩腸を鼓して胆(きも)をひらかんとす。平仄をやわらげととのえれば玲瓏(レイロウ),肩を聳やかして口占(コウセン)す。善き哉、天の我が才の健なるを用い,吟句は唐に擬して宏贍たるを誇る。笑って對す、斜暉の雲を燒いて焔のごときに。

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      一七令・山           2001. 5.17

              山。
           風爽,天寛。
          聽鳥哢,喜心閑。
        厭離塵界,登上仙寰。
       櫻雲空谷涌,弦月半天懸。
     花舞放香飛雪,人欲埋骨無棺。
    澄潭映水頭毛白,危嶂斷嵐霞彩丹。

                          山。
                    風さわやかに,天ひろく,
                鳥のさえずるを聴き,心の閑なるを喜ぶ。
       塵界を厭離し,仙寰に登上す。桜雲、空谷に涌き,弦月、半天にかかる。
         花は舞って香りを放ち雪を飛ばし,人は骨を埋めるも棺なきを欲す。
          澄潭、水に映じて頭毛白く,危嶂、嵐を断って霞彩丹(あか)し。

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     浣溪沙・早春賦          2001. 1.23

  開霽南庭殘雪多,  開霽の南庭に殘雪多く,
  驚看枯骨化仙蛾。  驚き看る、枯骨の仙蛾に化するを。
  梅花楚楚笑星羅。  梅花、楚楚として笑えば星羅。

  風逐凍雲吹暗夜,  風は凍雲を逐(お)って暗夜に吹き,
  梦聽天上美人歌。  夢に聽く、天上の美人の歌。
  古來春降自銀河。  古来、春は銀河より降る。

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     春光好・春 行          2001. 2.17

  千金景,萬枝花,一杯茶。休憩山間醉物華,興無涯。
  拂面春風習習,穿林溪水斜斜。仰看雲如仙客車,忘歸家。

    千金の景,万枝の花,一杯の茶。山間に休憩して物華に酔えば,興に涯(はて)無し。
    面を払って春風は習習と,林を穿って溪水、斜斜たり。仰ぎ看れば雲は仙客の車のごとく,家に帰るを忘る。

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      曄歌・春 醉           2003.12.31

  花底斟。酒慰辛勤,促呻吟。

  花の底に斟まん。酒は辛勤を慰め,呻吟を促がさん。

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     漢俳・惜春花飛散         2003. 4.15

  花飛櫻緑新。       花飛び桜の緑 新たなり。
  殘魂無涙思逡巡。    殘魂に涙なくも思いは逡巡し,
     搖脣句惜春。       唇を揺らせば句は春を惜しむ。

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     漢俳・賞梅迷路          2003. 2. 9

  賞梅随歩處,       梅を賞して歩に随うところ,
  搖脣唱和流鶯語。    唇を揺らして流鶯の語るに唱和す。
  無端迷返路。       端なくも返路に迷う。

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     漢俳・探 春           2003. 8.13

  探春西復東。       春を探って西にまた東に。
  笑賞櫻雲舞香雪,    笑って賞す、桜雲の香雪を舞わせ,
     鶯語讚天工。            鶯語の天工を讃えるを。

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     漢俳・夜賞櫻花          2003.10.12

  春櫻花底佳。       春桜の花底 佳なり。
  紅裙踏月歩沙沙,    紅裙 月を踏んで歩めば沙沙,
     傾盞笑哈哈。        盞を傾け笑えば哈哈。

       紅裙:赤いスカート。
       沙沙:擬声語。軽い足音。シャーシャー
       哈哈:擬声語。笑い声。ハーハー

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     漢俳・萬紅千紫          2003. 4.22

  鮮花映碧潭,       鮮花 碧潭に映じ,
  紅白橙黄青紫藍。    紅白橙黄青紫藍。
  濃香流夕嵐。       濃香 夕嵐に流れる。

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     漢俳・花 陰           2003. 4.20

  雲飛殘雪嶺,        雲 殘雪の嶺に飛び,
  風馬長嘶縱馳騁。     風馬 長く嘶いて馳騁をほしいままにす。
  人笑花陰靜。        人笑って 花陰に靜まる。

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