死生老病

新短詩
七絶・庚申偶作
七絶・人有一死
七絶・恒河朝晩東流
七絶・余生十萬時間
七絶・人踏影
七絶・佳人死盛春
七絶・送故人
七絶・暮春多人
七絶・願化爲化石得名声
倩女幽魂(死に神)四首
七絶・想宮本武蔵度冥土
七絶・老來多病
七絶・節葬好
七絶・人生如水
七絶・少年去黄泉
七絶・胆 石
七絶・怕狂牛病屠猪
七絶・垂死偶成
七絶・幽魂飛
新譜・晩節四時吟
柳含烟・夏天掃墓
十六字令・魚
漢歌・人生人笑
漢俳・墓地花開
漢俳・紀功碑
漢俳・愁聽天籟
漢俳・空老無功譽
漢俳・有老殘
漢俳・秋 醉
漢俳・解綬偶成

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      七絶・庚申偶作             2002.10.21

  髑髏頭頂芳花發,   髑髏の頭頂に芳しき花 発(ひら)き,
  仙女胯間飛蝶迷。   仙女の胯間に飛蝶 迷う。
  醉月老殘貪梦處,   月に酔って老残 夢を貪るところ
  三尸驚訝出臍躋。   三尸 驚訝して臍を出でて躋る。
                                    (上平声「八斉」の押韻)
(注)
  三尸:道家で人の腹中にすむという三匹の虫。庚申の日に腹中から 出てきて、その人の秘密を天帝に告げるという。
   驚訝:あきれる。

 この詩はわたしなりの死生観(とはいえ大方は俗な道教かぶれ)をイメージで書いたものです。したがって、どう読んでいただいても構わないシロモノで、作者自身がそのねらいを書くのもいかがなものかと思われますが、わたしとしては、エロスとタナトスを食材にブラックユーモアのソースで煮込んだつもりです。お手本は寒山、李白、李賀のあたりでしょうか。
 起句:冬の死から春が再生することを象徴しています。また、生命の誕生を象徴しています。
 承句:夏、あるいは、生命の歓喜を象徴しています。
 転句:秋、あるいは、老いを象徴しています。
 結句:人生を総括しています。三尸は何を天帝に報告するのでしょうか。
人は罪深い存在です。したがって、三尸はその、本人が人には言えず抱え込んでいる秘密、つまりは「罪」を報告するのではないでしょうか。
 しかし、起句・承句のような放埓な夢を貪る者をどう天帝に報告するのか。三尸が呆れ返ってしまうとき、人は死に、死ぬことによって生死を超越するのではないでしょうか。とすると、人の運命を見張る三尸とは、そのひとの魂ではないのか。
 わたしは、拙作の結句で「三尸が天に昇る」ということは、魂の昇天を象徴すると解釈しています。
 つまり、起承はエロス、転結はタナトスという構成になっています。エロスは、わかりやすく言えば男女です。そこで、起承は対句にしています。タナトスは崩壊です。そこで、ここは対句にしていません。

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      七絶・人有一死          2000. 2.12

  人有彭殤是峻科,   人に彭殤あるはこれ峻科,
  必須一死死方多。   一たび死するは必須なるも死に方は多し。
  孩笑三天厭光澤。   孩 三天笑って光沢を厭い,
  朝辞塵境若投梭。   朝に塵境を辞して投梭のごとし。

    孩:嬰児。 三天:三日。
    投梭:女がひじ鉄砲を食わせること(故事)。また、目にもとまらぬ速さのたとえ。

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      七絶・恒河朝晩東流        2003. 6.25

  亡骸化焔歸灰燼,   亡骸 焔と化して灰燼に帰し,
  新鬼昇天敲佛門。   新鬼 天に昇って仏門を敲(たた)く。
  朝晩恒河流瀲瀲,   朝に晩に 恒河 流れて瀲瀲(レンレン),
  篝灯点点送行雲。   篝灯点点と行雲を送る。
                        (普通話韵十五痕)
   恒河:ガンジス河。新鬼:死んだばかりの亡霊。
   篝灯:かがり火。ここでは死者を焼く炎。

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      七絶・余生十萬時間        2003. 7.10

  解綬仰天雲影閑,   綬を解いて天を仰げば雲影閑にして,
  余生十萬百時間。   余生は十万百時間。
  浮舟蒼海投竿處,   舟を浮べ蒼海に竿を投げるところ,
  偸餌銀鱗水底還。   餌を偸んで銀鱗 水底に還らん。
                       (普通話韵十四寒)
    解綬:解綬を解く。退職すること。
    銀鱗:銀色の鱗。魚。

 定年・再就職を迎え、どのくらい時間があるのか、計算した。何歳まで生きるかが問題だが、もうしばらくは働くとしても、かなりの時間が残されている。小生が試算した10万時間は、これまで会社で働いていたのと同じくらいの時間です。
ところで、その時間を何に使うか。小生は詩を書きますが、みなさんはどうされますか? なお、拙作、要するに軽い詩ですが、竿を投げるのが小生で人生が銀鱗であるのか、それとも小生が銀鱗で、竿を投げるものが人生であるのか、その答えは人生の最後まで見出せないかも知れません。

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      七絶・人踏影           2004. 1.15

  誰思平晝日將沈,   誰か思わん 平昼に日は將に沈まんとし、
  片影随形歩歩伸。    片影随形に随いて歩歩に伸びるを。
  夕暮何増情寂寞?    夕暮 なんぞ増さん 情の寂寞たるを?
  白頭獨對黝K人。   白頭 ひとり対す黝黒の人。
 
                       (普通話韵十五痕)
    平昼:真昼。正午。
    黝K人:黝黒は真っ黒。ここでは自分の影。この詩は、人生を一日にたとえ、せまりくる「老い」を、正午を過ぎれば伸びてゆく自らの影に託している。

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      七絶・佳人死盛春         2004. 3.22

  肺臓藏花開病身,   肺臓 花の病身に開くを蔵し,
  阿嬌薄命死酣春。   阿嬌 薄命にして酣春に死す。
  櫻雲吐雪天飛處,   櫻雲 雪を吐いて天に飛ぶところ,
  憔悴斷腸埋骨人。   憔悴断腸す 埋骨の人。
                          (普通話韵十五痕)

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      七絶・送故人            2004. 2.25

  長生必老髪鬆鬆,   長生きすれば必ず老いて髪は鬆鬆,
  頻送故人墳地東。   頻に故人を送る 墳地の東。
  血涙乾涸懷旧淡,   血涙乾涸して旧を懐うに淡にして,
  無言戀慕落暉紅。   言なく恋慕す 落暉の紅きに。

    髪鬆鬆:頭髪がまばらなさま。   (普通話韵十七東)

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      七絶・暮春多人死         2004. 3.22

  髑髏頭頂生芳草,    髑髏の頭頂に芳草生じ,
  墓地櫻雲流暮春。    墓地の櫻雲 暮春に流れる。
  偶見月鈎垂碧落,    たまたま月鈎の碧落に垂れるを見れば,
  又疑今夜釣誰人?   また疑う 今夜は誰を釣らんかと

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      七絶・願化爲化石得名声      2003. 6.12

  迂儒大梦願留名,    迂儒大夢に名を留(とど)めんと願い,
  仙洞坐禪心自平。    仙洞に坐禅すれば心おのずから平らかなり。
  獨耐風霜成化石,    獨り風霜に耐えて化石となり,
  承蒙發掘得芳声?   発掘されなば芳声を得んか?

     芳声:よい評判

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     倩女幽魂(死に神)四首


      七絶・清明掃墓            2004. 3.23

  倩女幽魂撫頭頂,   倩女幽魂(セイジョユウコン) 頭頂を撫でれば、
  醉翁陰鬼吐春霞。    醉翁の陰鬼 春霞を吐く。
  櫻雲盛涌風輕處,   櫻雲盛んに涌いて 風 軽きところ、
  墓地清明飛雪花。   墓地は清明にして雪花を飛ばす。
                    
(普通話韵一麻 下平声六麻)

   清明:陽暦四月五日の頃。春分と穀雨の間。中国では、墓参りの時候。
   掃墓:墓参り。倩女幽魂:美しい女性の死神。陰鬼:死んだ人の靈魂。


      七絶・人死天游             2004. 3. 6

  倩女幽魂撫老頭,   倩女幽魂 老いたる頭を撫でれば,
  一眠無醒死清秋。   ひとたび眠って醒めるなく清秋に死す。
  天仙笑賣羽衣處,   天仙笑って羽衣を売るところ,
  人付紙錢霄漢游。   人 紙錢を支払って霄漢に遊ぶ。


      七絶・犬死天游             2004. 3. 6

  夜聽警犬叫声愁,   夜に聴く、番犬の吠えて愁い,
  倩女幽魂撫老頭。   倩女幽魂 老頭を撫でるを。
  春曉梦深無醒處,   春暁 夢深く醒めるなきところ,
  雲如走狗曙暉流。   雲は走狗のごとく曙暉に流れる。


      漢俳・老犬垂死             2004. 3. 5

  警犬叫声愁,      番犬 吠えて愁えば,
  倩女幽魂撫老頭。   倩女幽魂  老いたる頭を撫でる。
  春夜月如鈎。      春夜 月は釣り針のごとし。

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     七絶・想宮本武蔵度冥土       2003. 9.11

  磨剣殺人爲剣豪,   剣を磨き人を殺して剣豪となり,
  垂名眠墓戒名妖。   名を垂れて墓に眠れば戒名妖なり。
  武門居士揮氷刃,   武門の居士 氷刃を揮うも,
  不死亡靈蘇半宵。   不死の亡霊 半宵には蘇らん。

    垂名:後世に名を残すこと。半宵:真夜中。
    宮本武蔵:日本最有名的劍豪也。

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     七絶・老來多病             2004. 6. 2

  尼采梅毒我頭痛,   ニーチェの梅毒 わが頭痛,
  近年妻子訴腰痛。   近年 妻は腰痛を訴う。
  隣家醉叟痛風疼,   隣家の醉叟に痛風疼き,
  人老無牙無劇痛。   人老いれば歯なくして激痛なし。

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     七絶・節葬好                  2003. 9.22

  厚葬久喪崇墓標,   厚葬久喪、墓標を崇(あが)め,
  大名内室得巖喬。   大名の内室 岩の喬(たか)きを得たり。
  可憐碑重圧纖骨,   憐むべし、碑重く纖(ほそ)き骨を圧し,
  人悔往時誇柳腰。   人悔いなん、往時に柳腰を誇るを。

           
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     七絶・人生如水             2000.11. 8

  百年放尿尽千樽,   百年の放尿、千樽に尽き,
  一夜臨終涙一痕。   一夜の臨終、涙一痕(いっこん)。
  何處醉魂明旦醒?   いずこぞ、酔魂、明旦に醒めん?
  有否仙郷酒家喧?   ありや否や、仙郷に酒家の喧しき?

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     七絶・少年去黄泉         2002. 8. 2

  告別太陽飛碧天,   太陽に別れを告げて碧天を飛び,
  投身溟海去黄泉。   溟海に身を投げて黄泉に去る。
  少年誤讀菩拉遁,   少年、誤ってプラトンを読み,
  未受艱難戀洞玄。   いまだ艱難を受けずして洞玄に恋す。

      菩拉遁:PLATON:柏拉圖。
      洞玄:仙人のいるところ。

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      七絶・胆 石             2003.12.25

  貝抱真珠人胆石,   貝は真珠を抱き人は胆石,
  妖如猫目耿光奇。   猫目のごとくに妖しく耿光奇なり。
  五年一個七十歳,   五年に一個、七十歳,
  暗算金錢待賈期。   暗に金錢を算じて待賈の期(とき)。
                        
(普通話韵七斉)

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      七絶・怕狂牛病屠猪        2001.12. 1

  牛狂人餓屠肥猪,   牛狂えば人餓えて肥えたる猪を屠り,
  目笑舌伸舐佳肴。   目は笑い舌は伸びて佳肴を舐める。
  醉裡偶思天食物,   醉裡にたまたま思う、天の食物,
  神仙夕釣裸虫炮。   神仙 夕べに裸虫を釣りて炮らん
                      
(普通話韵十三豪)
      
裸虫:人間

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      七絶・垂死偶成          2003.10.10

  偶養蒼癌臨死期,   たまたま養蒼き癌を養い死期に臨めば,
  中秋銀月照人凄。   中秋の銀月、人を照らして凄まじ。
  還錢一冩情書后,   金を返しひとたび情書を書いてののちも
  更有百忙建墓疲。   更にあり百忙、建墓を建てて疲れたり。
                      
(普通話韵七斉)

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      七絶・幽魂飛           1998. 1.24

  目下雁群共往飛,   眼下に雁の群 共に往きて飛び
  山河縹渺日熹微。   山河は縹渺として日は熹微たり。
  不知彼岸同春景,   知らず 彼岸は春景を同じくするかを,
  一路無言欲適歸。   一路 言なく 適帰せんと欲す。
                      (平水韵上平声四微)

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      新譜・晩節四時吟         2003. 8.29

  人生無二價,我賣半生眞半價。莫笑霜頭更廉價,晩節多閑暇。 酣春曳杖賞櫻酣,午睡緑陰消夏,貪梦情無假。
  乱蛩環草舎,戀慕嫦娥輝艷冶。秋想吾鰥君也寡,飲涙風声嗄。天帝未呼無上天,呵筆凌寒冬夜,浮幻吟花下。

  人生 価(あたい)を二にするなくも,我は 半生を真に半価で売れり。笑うなかれ 霜頭は更に廉価にして、晩節に閑暇多きを。酣春 杖を曳いて櫻の酣(たけなわ)なるを賞(め)で,午睡して緑陰に夏を消し,夢を貪りて情に仮(かり)なし。
  乱蛩 草舎を環(めぐ)り,恋慕す 嫦娥(こうが)の輝いて艷冶なるを。秋に 吾れは鰥(やもを)にして君また寡なりと想い涙を飲めば 風声 嗄れる。天帝いまだ呼ばざれば天に上るなく,筆を呵して寒を凌ぐ冬夜,幻を浮かべて 花下に吟ず。

   無二價:掛け値なし。 半價:半値。
   消夏:暑さを凌ぐ。
   無假:いつわりなし、嘘がない。
   鰥・寡:鰥(カン)は年をとって妻のない男。寡(カ)は夫に死なれた女。
   呵筆:凍った筆に息を吹きかけてとかすこと。寒中に詩文を書くこと。

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       柳含烟・夏天掃墓        2000. 8. 7

  鳴蝉噪,喜驕陽。老叟何堪午熱,炎風拂面汗成行,意茫茫。
  口渇促涎如喋血,人自無言巻舌。夏天掃墓有何能? 路登登。

 
  鳴蝉噪ぎ,驕陽を喜ぶ。老叟何んぞ午熱に堪えん,炎風、面を払い、汗、行をなし,意(こころ)茫茫たり。
   口の渇(かわ)き 涎を促して血を喋(な)めるのごとく,人 おのずから言なく舌を巻く。夏天の掃墓 何んの能ありや? 路(みち)は登り登る。

      十六字令・魚           1999. 1.26

  魚,               魚、
  見釣高飛看月初。      釣られて高く飛び月を見るの初め。
  寒濤海,            寒濤の海、
  凛凛素影虚。         凛凛として素影虚し。

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     漢歌・人生人笑          2002.12.24

     人生まれて人笑う


  露出亀頭小,         亀頭の小さきを露出して,
  初看塵寰満光耀,      初めて見る、塵寰の光耀に満ち,
  眼前花貌笑。         眼前に花貌の笑うを。
  是母親欣然介紹,      これ母にして欣然と紹介す,
  我的父親風態好。      わが父親の風態の好(よ)きを。


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     漢俳・墓地花開          2004. 1.28

  東風拂面吹。         東の風 顔を撫でて吹く。
  墓地櫻花生死灰,      墓地の桜は死灰より生じ、
  童子喜春回。         童子は春の回るを喜ぶ。

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     漢俳・紀功碑           2003.12. 4

  兵士死無歸。         兵士死して帰るなし。
  故土遺族埋骨涙,      故郷の遺族 埋骨して涙すれば,
  雨洗紀功碑。         雨は洗う 功を記す碑(いしぶみ)。

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     漢俳・愁聽天籟          2003. 4.29

  莫笑醉顔丹。         笑うなかれ 酔顔の赤きを。
  散官空過黄塵老,      散官 空しく過ごして黄塵に老い,
     愁聽K風殘。          愁い聽く 黒風の殘(そこな)うを。

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     漢俳・空老無功譽         2003. 8.18

  精勤無寸暇。         精勤して寸暇なし。
  悔我賣半生廉價,      半生を廉価に売りたるを悔い,
  嘆櫻花易謝。         桜の散りやすきを嘆く。

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      漢俳・有老殘           2003. 8.18

  人生無二價,        人生に二価無くも,
  天用吾才商半價。     天は吾が才を用いて半価に商う。
  已老無光價。        すでに老いるも光価なし。

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      漢俳・秋 醉            2003. 9.17

  白首歩金秋。        白首 金秋に歩む。
  賤賣人生牽老醜,     人生を安く売って老醜を牽き,
  笑買酒消憂。        笑って酒を買い憂いを消す。

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      漢俳・解綬偶成          2003.10.11

  人生如禿毫。        人生はすり減った筆のごとし。
  蒙塵勞碌官途老,     塵をこうむり碌に労して官途に老い,
  斑白頭髪薄。        斑白にして頭髪薄し。

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